非常時こそ、マンションの強みを発揮しよう!

近年自然災害の猛威がすさまじく、一度雨が降ると台風並みの雨量を観測し、甚大な被害をもたらしています。また、地震も増えてきており、いつ南海トラフ大地震が来てもおかしくありません。
そんな時、マンションだからこその強みを活かして非常時を乗り越えていきましょう。

マンションの強みって?

マンションの強みって何でしょうか?
大きな災害が発生した場合、マンションにお住まいの方は避難所ではなく、マンション内で避難生活を送ることが想定されています。それはマンションが耐震性に優れており、よほどのことがない限り、マンション内に留まる方が安全だからです。それこそマンションの一番の強みだと思います。

共用部でなにができる?

非常時はマンション内に留まりますので、各家庭での対策だけでなく、マンション全体での対策を考えておきたいところです。
マンションの規模により異なりますが、必ずある共用部はエントランスホールだと思います。エントランスホールの規模にもよりますが、災害対策本部、要介護者用や住民の一時避難場所、支援物資の受け渡し、住民の交流スペース、炊き出し、ペットの一時預かりなどのさまざまな用途に活用することができます。

マンションの規模によって、共用施設の有無や数が変わってくると思います。理事会などで非常時には何に使うのか、実際にそのスペースは活用できるのかについて、事前に話し合われておくのがいいと思います。

コミュニティでなにができる?

マンションの強みは他にもあります。
マンションにお住いの方同士のつながりです。これは戸建てにはありません。
マンションにお住いであれば、エレベーターなどですれ違いざまに挨拶を交わされると思います。そこでここの家族は小さいお子さんがいるな、ここの家族は足が不自由なおばあさんがいるな、ここの家族はペットを2匹飼っているな、などわかると思います。そういった何気ない日常で得た情報で非常時には「あれ?あそこのご家族がいないな?大丈夫かな?」「よし!お部屋に見に行ってみよう!」となります。
また管理員が常駐しているマンションでは、管理員もマンションにお住いの方の情報を把握していますので、いざという時管理会社との連携もしやすくなります。

その他、普段から挨拶を交わすことで非常時以外にも防犯対策にもなります。「あれ?あんな人住んでいたかな?」「見たことないけど。あれ?この部屋の住民はこの人じゃなかったはず!」となり、防犯も未然に防ぐことが出来ます。

具体的になにができる?

マンションは、耐震性に優れ、共用施設も使え、住民同士のコミュニティが強みだということがわかりました。では、非常時には具体的にどのように対応したらいいのでしょうか?
まずは、どんな被害が想定され、どんな対策が必要かを考えていきましょう。

停電した!
非常時に一番起こりやすいのが停電などライフラインの停止です。
この場合、共用部でのマンション住民同士で被害情報の共有すること(あればホワイトボードに書き込む、なければ模造紙など大きい紙を壁に貼り、ポストイットなどで状況を共有しましょう)や自家発電設備(だいたいは地下に備え付けられているので、管理員や理事長が対応しましょう。また、エネポなど管理組合名義のものがあれば出しましょう、なければ持っている住民から募るなど)の利用を検討しましょう。

エレベーターが停止した!
高層マンションだと、強風でエレベーターが停止することがあります。その場合、高層階の住民でも階段で行き来するよりほかありません。ただ高齢の方や小さいお子さんがいる家庭では難しくなってきますので、その方たちが一時避難する場所の確保(共用施設が低層階にあればそこを利用するなど)することが重要です。
また、エレベーターが浸水時にその階以下にいるとエレベーターも浸水し、動かなくなります。あらかじめ浸水が想定されそうな雨風強そうな場合は、最上階にエレベーターをあげておくなど対策が必要です。対策をしていてもエレベーターが停止してしまった場合は、マンションの住民同士、上下階など声をかけあうなどあらかじめ決めておくといいと思います。

トイレが使えない!
マンションにお住いの場合、非常時にトイレを使うことは気を付けてほしいものです。例えば、震災が起きた場合マンション外観に特に変化がなくとも、排水管などが破裂している場合があります。その状態で上階の方がトイレで排泄をした場合、下階の方のトイレから排泄物があふれ出てくる可能性があるからです。
非常時にトイレをする際必ず災害用トイレを利用しましょう。災害用のトイレテントであれば、駐車場など屋外に設置できますので、管理組合名義で購入しておくといざという時安心です。

ゴミが増えてきた!
マンション内での避難生活も数日過ぎてくると問題になってくるのがゴミだと思います。ゴミ収集車も来ない場合がほとんどなので、溜まっていく一方だと思います。タワーマンションであれば、各階にゴミ置き場があると思いますので都度出したりしてもいいと思います。いずれにしてもゴミの臭いが発生しますので、保管場所の換気・消臭対策はしておく必要があると思います。

食べ物がなくなってきた!
冷蔵庫内にある食料も尽きてきた頃、マンションであれば住民同士で協力し、駐車場や公開空地、非常用電源などを利用し、備蓄品や半端に余っている食材を持ち寄って、カレーなど炊き出しをすることが出来るのはマンションならではだと思います。

マンションならではの強みを活かし、今後起こるかもしれない非常時に備えましょう。